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優秀賞(B)

大塚隆光/加藤尚裕
(以上2名,日本大学大学院)


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優秀賞(B) :: 大塚隆光/加藤尚裕(以上2名,日本大学大学院)

イエの,ヌケガラ

この提案は隣り合った三軒のイエのリストラクチャリングである.
商店の並ぶこの通りにある三軒のイエは外部に対して閉じてしまっていて何か街に対して暗いイメージを与えてしまう……そんな三軒のイエをここで想定する.
イエはヌケガラを残し,街と共に成長していく.
ここに連続性を中断するように建ち並ぶ三軒の戸建て住宅.築30年程度のイエを壊すことなくその記憶の集積を溢れ出させ,リストラクチャリングし,新しい商店街として街を活性化させる.

「ひとつのイエには,ふたつのイエがある」
外部となった内部(ヌケガラ)は街に開き,ここに新しい商店街を展開する.
記憶を継承しながら,周囲の建物と仲良くなれる,三軒のイエができ上がった.これが,僕等のイエと街に対する忠告であり,メッセージである.

審査委員コメント

コンクリートで固めるという点と,どういう契機でこのような街ができ上がるのか,そのプロセスに無理があるが,プレゼンテーションはすごくいい.

(山本理顕)

路地という外部を室内化する案で,こうした内と外を反転する試みは伊東豊雄によって開始され(中野本町の家(『新建築』7611)と下諏訪町博物館(『新建築』9111)の関係,せんだいメディアテーク(『新建築』0103)),その後の日本の台風となった.この案は反転とミミズの合成体と見れば分かりやすい.

(藤森照信)

街での体験というのは,実は隙間状の空間を体験していることでもあるから,そういう隙間状の空間の記憶がこうしたかたちで継承され,変化していくのは面白い.これから高齢化が進んだり,家族が減っていく中で,減築していく方法としてとらえても面白い提案だと思う.このようなプロセスが成り立つシナリオは具体的には見えないが,絵としてすごく魅力的なものがある.

(千葉学)