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最優秀賞

湯浅良介/山本亮介/杉山幸一郎
(以上3名,東京藝術大学大学院)


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最優秀賞 :: 湯浅良介/山本亮介/杉山幸一郎(以上3名,東京藝術大学大学院)

限りなくマチに近いイエ

私の家の中にいろいろな場所があったらいい

誰かと共有したいわけじゃない

でも街とつながっている感覚は欲しい

この想いをかたちにしたら,家は距離をもち,街の道を飛び越えた.距離は家と街との関係に,視界・音・気配の変化を与え,一軒の細長い家の中にいろいろな場所を産み出した.
家の中にパブリックスペースをつくるのではなく,本来のパブリックスペースである道を家がまたぐことで道は家の延長として存在し,街に生活が溢れ出す.

イエは限りなくマチに近づいていく.

審査委員コメント

道路を越えたときに,その道路はどういう道路なのかまで考えていいと思う.もしその道路が緑道的な提案になったとしたら,ただのストライプ配置ではなくなってもう少し隣との関係ができたかもしれないし,緑道に面している人たちとの関係もできたかもしれない.家というのは本当に閉じているのか,家にはひとつの家族しか住まないのかということを考えるその入口のところに近づいているのに,それを超えられていないところが惜しい.もう少し周辺環境に視野を広げることができたらもっと面白い提案になったと思う.プレゼンテーションは抜群に優れていた.

(山本理顕)

ミミズ派は,これまでいろんな学生コンペで目にしてきたが,それらとこの案のいちばんの違いは,ミミズ発生の過程が分かることだろう.三軒の家で,DNAの突然変異が発生し,諸機能は一度バラバラになり,変異過程が終わってみると,三匹のミミズへと進化していたのだった.ミミズに進化することで,家は街の中を移動することが可能になる,と私はにらんでいる.

(藤森照信)

所有形態が明確にある街を前提にしながら,今ある土地の区分の仕方がもたらす,断絶しそうな関係を再編するということが,非常にシンプルな方法で提案されている.そこに通常あり得ないような道をまたぐという土地の分割をもち込み,一軒の家に不思議な距離を生み出すことによって,家族相互のさまざまな関係や,家族の将来的な変化に対する提案が,実に鮮やかに表現されている.

(千葉学)