「パブリックスペース」という言葉に、わたしたちは何をイメージするでしょうか。

1日に何百万人もが入り乱れる鉄道駅、朝市や朝ヨガでにぎわう緑豊かな公園、涼しげな昼下がりの路上カフェ、リビングにもオフィスにもなる図書館、子どもやお年寄りの声がこだまする路地裏、大切に扱われるシェアカーやシェアサイクル、その場に別世界をつくり出すスマホ・SNSなど、わたしたちの身の周りには、公/私、官/民の区分もあいまいな、心地よい空間が生まれています。

一方、日本の居住人口はピークアウトし、都市人口も近い将来は減少に転じる一方、訪日外国人や国内外旅行客など、流動・交流人口は増え続けています。東京ではおよそ60年ぶりにオリンピック・パラリンピックが開催されますが、前回大会前後に一斉につくられた都市は、その再生や転換が喫緊となっています。

わたしたちはまさに今、新しいアクティビティやライフスタイル・ワークスタイルが生まれる潮目、日本の都市が本当の意味での成熟都市となる潮目にいるのではないでしょうか。

成長を超え、成熟に向かう「これからの都市」において、わたしたちはどのような場を「パブリックスペース」ととらえ、その場をどのようにデザインするのか。また、そこでのアクティビティはどのようなもので、それらを生み出し営むための仕組みをどのようにデザインするのか。

これからの都市に生き、つくり、使いこなす主役である皆さんの鋭い着眼と柔軟な発想で、実在する任意の場所を想定して、これからの都市のパブリックスペースをデザインしてください。