第17回 ダイワハウスコンペティション 電気を使わない家
テーマ 電気を使わない家
暮らしの中で、今まで当たり前に使えていた電気がなくなるとどのような楽しい家ができるか。これが今回のテーマです。
現代の家には、あらゆるところに電気が必要です。テレビや冷蔵庫、エアコンや電灯、コンピュータやスマ ートフォン、それらすべて電気を必要とし、それに頼 って暮らしを成り立たせ、家のかたちも決まっているといえます。効率が追求され、情報が溢れることが日常となると、その当たり前から戻れず、五感でものを理解することを忘れ、人間の可能性や自由を失っていることに気がつかずにいるといえるかもしれません。
では、その当たり前に使えた電気を使わない家を考えたら、どのような豊かさが手に入るでしょうか。昼から夜、そして朝を迎える時間の流れに敏感になり、季節や温度の変化とどのように向き合って生きていくかを考えることになったり、家の中では情報から遮断されることで、家族との距離や家の外の他者との関わりが変化するかもしれません。そして電気を使わないことを追求していくと、電気というエネルギーそのものの価値や、それがどこからきて、この先どうなるかということを考えることになるでしょう。
電気がなかった原始的な時代の家に戻るのではありません。不便だから辛いのではなく、ないからこそ得られる歓びをかたちにして、それがこの先の希望になるような提案を求めます。
敷地は架空でもリアルでも自由です。戸建て1棟や、戸建ての集合、併用住宅、リノベーションなど、形式やプログラムは問いませんが、ひとつの家として必要な空間を提案してください。人間の想像力で自由を考えていくきっかけになるような家を考えてください。