ワーク ライフ インテグレーション
生きながら働き、働きながら生きる場所
働く場所・働き方が多様化する中、住まいはどのようにあるとよいのでしょうか。
従来のようにオフィスに通ったり、街中のサテライトオフィスを利用したり、カフェが働く場所となったり、マンション共用施設や住まいのリビングで働くなど、働く場所の可能性は広がっています。そうした場所に加えて、住まいをもっと活用できれば、働く場所と生活が統合され、その結果、住まいが街ににじみ出してくるかもしれません。また、働き方も、共働き世帯が在宅勤務をしながらワークライフバランスを保ち、プライベートを大切にする中で、仕事か暮らしかのどちらかではなく「暮らすように働く」ということが一般的になるかもしれません。そのように、働き方が変わると住まいが変わり、また、住まいが変われば働き方が変わるようなことがあるのではないでしょうか。
第10回目となる今回は、国際港湾都市・横浜に立地する商業施設やホテルなども複合した新築分譲マンション「(仮称)馬車道駅直結 横浜北仲タワープロジェクト」(58階建て、総戸数1,176戸)を課題建物として取り上げます。横浜には、これから働く場所の可能性を広げるさまざまな拠点があります。多様化する価値観や変化する社会状況の中で、働く場所の選択ができる新しい街の住まいとはどのようなものか、実際に住戸に住まう人の働き方と暮らし方を想定して提案してください。
コンペ対象住戸は南西向きの41階住戸(専有面積80.82m2、バルコニー面積15.07m2)。構造躯体と若干のパイプスペース、洗面室・UBといった水場の位置等を除き、自由にプランニングしていただけます。
選ばれた三井住空間デザイン賞の提案は、それに基づき実際に販売されますので、それを踏まえた魅力を持つ案であるとともに、今後のマンションの可能性を広げるようなプランであることが求められます。
10回目を数えるこのコンペは、若手建築家の登竜門として位置付け、2段階審査方式を採用し、2次審査を公開プレゼンテーション形式で行います。わたしたちはこのコンペを通して、集合住宅の新しい価値が創造されることと同時に、同じ時代を共に生きる優れた建築家・デザイナーとの出会いを期待しています。
三井住空間デザイン賞
時代のニーズにあった「デベロッパーと建築家・デザイナーとの新しい関係」を探る機会として、2002年からスタートした 「三井住空間デザインコンペ」。現実の生活を前提として、いかに「快適な居住空間」をつくり出すことができるか。 また、単に装飾的になるのではなく、個人の嗜好性を生かしながら、誰もが快適に感じることができる住まいとは何かを求めてきました。 2015年の第9回コンペでは、応募登録631件、応募作品367点という多数の応募をいただいています(2015年3月3日締切り、4月11日公開審査)。
これまでの受賞作品のうち、第3回のパークタワー秋葉原、第4回のパークコート虎ノ門愛宕タワー、第5回のパークホームズ成増マークレジデンス、第6回のパークホームズ滝野川、第7回のパークタワー高輪、第8回のパークホームズLaLa新三郷、第9回のパークホームズ豊洲ザ レジデンスでは、コンペ作品が建設・分譲され、入居済みです。第3回のパークタワー秋葉原は2007年度の、第5回のパークホームズ成増マークレジデンスは2009年度の、第6回のパークホームズ滝野川は2011年度の、第7回のパークタワー高輪は2013年度の、第8回のパークホームズLaLa新三郷は2014年度のグッドデザイン賞をそれぞれ受賞しています。