第52回日新工業建築設計競技 地の家
テーマ 地の家
テーマは「地の家(Earth House)」です。
大地の大らかさ,自然との調和は,さまざまなスケールの分断がもたらされている現代にこそ大切な視点だと思います。しかし近年の情報社会やパンデミックは,私たちがそうした雄大な大地や自然の中に生きていることを意識する機会を減少させているのではないでしょうか?
たとえば,フランク・ロイド・ライトは,環境の異なるふたつの大地に建つスタジオ,タリアセン・イーストとウエストを行き来し,さらに大地との接続を強く意識したプレーリーハウスをつくりました。では現代においては,どのような家が考えられるでしょうか?
また,「地」を考えることは土木やインフラに考えを巡らせることでもあります。一般的に,集まって暮らすために,道路や上下水道などのインフラを構築し,維持し続ける必要がありました。しかし,昨今のインフラの老朽化や多発する災害を考えると,たとえば,モンゴルの遊牧民のゲルのようにインフラに頼らない家も考えられるかもしれません。
西洋では,「地」は万物を構成する4つのエレメントのうちのひとつとして位置付けられ,中国や日本では,天地という言葉が世の中や全世界を意味し,その根源的な意味合いから地力や地肌のように,「素」の状態を指しています。
「地(Earth)の家(House)」を通して,私たちや私たちの暮らしを成立させている原点に立ち返り,新しい家の可能性を描いて下さい。みなさまのご応募をお待ちしています。