佳作
建て替え時期を迎える庁舎建築に対して,新たな人を呼び込む賃貸住宅機能を入れ込む
庁舎賃貸 ──庁舎×賃貸住宅で地域に根付く暮らし
佐藤素春 大森佑将(法政大学大学院)
左から佐藤素春氏と大森佑将氏.
【敷地】
神奈川県川崎市高津区役所
【抽出した地域の課題】
人びとの住むことに対する意識の変化,住む場所を変えることへの制約,ある時期に集中的に活動拠点を移したい職業の人たちへの対応など,より自由により安価に,より流動的に必要に応じて住むことに対する自由を手にいれることができないか.
【賃貸の仕組み】
地域の中心である庁舎の建て替えに伴い賃貸住宅を挿入して,新しい住民や新しい活動を生み出し,地域を活性化する.また,全国に住民票を統合する賃貸ネットワークを構築し移動しやすくする仕組みをつくる.庁舎建て替えについては,庁舎という社会的インパクトのある施設という点から民間から出資者を募り,成果連携型の業務委託契約を行う.
【建築空間】
庁舎に賃貸住宅を挿入し,さらに地域住民に開放するためのネットワークヴォイドをつくることで,賃貸住宅の住民と地域との新しい繋がりを生む場所をつくる.
◯合併などによって使われなくなった庁舎を改修するシナリオのほうが狙いに合致していたのではないか.(千葉)
◯敷地が地方かつ,リノベーションであれば説得力が増した.着眼点は面白く,提案者のリアルな目線で提案ができていた.(赤松)
◯行政は2年、政治家も4年のスパンで体制が変わるため,民間よりコスト面にシビアである場合も多い.中長期的な効果を見せつつ,短期的に効果を発揮できる,財政的制約にまで踏み込んだ提案ができるとリアリティが増したのではないか. (木下)