趣旨
時代のニーズにあった「デベロッパーと建築家・デザイナーとの新しい関係」を探るひとつの機会として、2002年からスタートした「住空間デザインコンペ」。第4回からは名称を「三井住空間デザインコンペ」とし、新たな装いで実施しています。現実の生活を前提として、いかに「快適な居住空間」をつくり出すことができるか。 また、単に装飾的になるのではなく、個人の嗜好性を生かしながら、誰もが快適に感じることができる住まいとは何かを求めてきました。 2008年の第5回コンペでは、応募登録1,649件、応募作品788点という、過去4回をそれぞれ上回る多数の応募をいただいています。
第6回目となる今回は、東京都心にあるファミリーマンション「パークホームズ滝野川」(旧名「北区滝野川7丁目計画」、13階建て、総戸数60戸)を課題建物として取り上げます。コンペ対象住戸は下階は共用部のみで階高を生かせる2階住戸(専有面積68.88m2、北西向き)。構造躯体と若干のパイプスペースを除き、キッチンや洗面室といった水場の位置も制約なく、自由にプランニングしていただけます。敷地周辺は古くから桜や紅葉の名所で、東京城北地域にあり交通の便もよく、緑などの環境も優れた場所です。そこに、夫婦が互いに成長、変化しながら、大切な時間を生き生きと幸せに過ごすことができる住戸プランを提案してください。また、この住戸にお住まいになる夫婦像も想定し、その変化に合わせて、長く住めるプランを考えてください。
選ばれた最優秀案は、プランに基づき実際に建設の上分譲されますので、購買行動に至る魅力的な案であると共に、今後のファミリーマンション向けの新たなスタンダードとなるようなプランであることが条件となります。
6回目を数えるこのコンペは、若手建築家の登竜門として位置付け、より多くの実務経験者に応募していただきたいと考え、最優秀賞は「三井住空間デザイン賞」として表彰します。また、2段階審査方式を採用し、2次審査を公開プレゼンテーション形式で行います。これまでの受賞作品のうち、第3回のパークタワー秋葉原、第4回のパークコート虎ノ門愛宕タワーでは、コンペ作品が建設・分譲され、入居済みです。第5回のパークホームズ成増マークレジデンスでも、コンペ対象住戸が完成しました。第3回のパークタワー秋葉原は2007年のグッドデザイン賞を受賞しています。わたしたちはこのコンペを通して、集合住宅の新しい価値が創造されることと同時に、同じ時代を共に生きる優れた建築家・デザイナーとの出会いを期待しています。