最優秀賞
小さな家の大きな集まり
神奈川大学 曽我部昌史研究室
(庄子利佳 佐塚将太 鈴木啓生 前田沙希)
左から,佐塚将太氏と庄子利佳氏.
◎受賞者コメント
賃貸スキームと建築デザインを同時に検討する機会を得ることができました.リアルな提案に近づくまでに,賃貸住宅を始めとするさまざまな分野での仕組みや建築デザインの裏側のような部分まで,今まで以上に踏み込んだ理解が必要不可欠でした.今回のコンペでは,まだまだ勉強不足であることを痛感しつつも,今後の大きな糧になりました.(庄子利佳)
◯他者との関係性が希薄になった今の社会に対して,これからの世代が持つ危機感を汲み取った提案だと思う.実際に社会のなかで始まりつつある動きを,リアリティを持ってうまく空間に落とし込んでいた.(千葉)
◯システムを含め,さまざまな面で緻密に構築されていて総合力が高い.(赤松)
◯関わる人間の経済性を含めたキャッシュ・フローまで考えられていて素晴らしい.造形的にも面白く,具体的に生活イメージがある点も評価できた.(横川)
◯豊島区ならではの視点は弱く感じたが,「小家」がシェアの価値を上げる,新しいビルディングタイプが提案されていた.(小林)
◯シェアの概念を使いつつも,地域通貨による秩序立てや,敷地の選定から「小家」という新しい職業の設定まで,賃貸モデルとして非常に実用性が高く設定されている点がよかった.人の感覚だけに頼りすぎないシェアのかたちがシステムとしてしっかり構築されていた.(馬場)